戻る


 ■ 列伝モード・他勢力伝


*タイトルをクリックすると、武将の立場からステージを眺めた「武将的視点」をみることができます^^

 ▼貂蝉伝▼

貂蝉的視点 〜董卓暗殺戦〜


夜の淵から滑り落ち、更に深い常闇へ落ちて行く影が見えた。

誰か。それは自分ではない。

そう、自分ではないのだ。まだ。

 *     *     *
 
月も無い、雨の夜だった。凍りつくような寒い暗闇を、わずかに置かれた松明が照らしている。

その炎から身を離し、一歩ずつ城内を進んでいく。

明かりなど必要無かった。人目を盗み、あるいは公然に、何十回この中を巡ったことか。

警備兵の数もおおよそ把握していた。呂奉先を側に置く時、必ずその人数は激減する。

そして最強の武将に護られるという安堵が、致命的な刃の進入を許す。

今日はそれを思い知らせる夜となるのだろう。


舞う時と変わらない衣装は、光に当たれば煌めき色づく。

だが闇に埋もれてしまえば、あるいは__

中空を睨み、噛み締めるように呟く。

「この身を夜の闇に染め・・・」

染めてしまえば。染まりきってしまえば。

仮定で己の背を押さなければならないほど、覚悟は浅くない。

「・・・逆臣、董卓を討ちます・・・!」

囁くように叫ぶ。空気を震わせること無く、声は闇へ消えた。

城内の闇は、足音一つ気取られるような、神聖なる静寂に張り詰めたものでは無いからだ。

どんな魑魅魍魎も紛れられる澱んだ闇。だからその澱んだ一端も葬れる。

その次には、自分がその一端に加わる。

厭うものか。方法は違えども、望んできた結果をこの手で掴めるのだから。

錘を握り締め、感覚の唯一の拠り所と定める。

そして全ての感情を消し、闇へと紛れた。

 *     *     *

夜の淵から滑り落ち、更に深い常闇へ落ちて行く影が見えた。

その影がはっきりと自分に重なるのを、当然とばかりに受け入れていた。
 
 
親衛隊は数人。不意を突けば倒せない人数ではなかった。

刺客に狙われ、命を落とす。今日ほど彼らにとって、それを案じない日はなかっただろう。

血が顔を濡らしていた。頬に付いたそれは、時代の流せない涙だった。

もうじき__全ての苦痛から、人々は解き放たれる。

「・・・なんじゃ?親衛隊どもよ、どうした__」

物音に気づき、一斉に自分の元を離れ、そして何も発しなくなった己の護衛に、太師はとうとう疑念の声をあげた。

いや、逆賊を太師などとは呼べない。

物陰からそっと離れると、ゆっくりと彼の元へ歩いていった。

「・・・何者・・・?」

「私ですわ、董卓様」

まばらに置かれた松明に、少しずつ姿は照らされ__

そして自分の表情に、深い影を作った。

「・・・・・!?」

足音ひとつ立てない様子と、明らかな返り血に濡れた姿に、ようやく董卓は気づいたらしい。

慄く表情に、満面の笑みを浮かべてみせる。

「董卓様。ますます御隆盛のこと、お喜び申し上げます」

「・・・ちょ、貂蝉、何をしようというのじゃ!」

「本日は、一番お喜び頂けるものをお持ちしましたの__」

まったくもって唐突な反逆を、太師は信じられないようだった。

それで良い__帝を戴いた時、民もまた同じ失望を味わったのだから。

眼前まで近づき、いつもの表情を浮かべた。

「平時好まれていらっしゃる、血の杯を。今宵満たして差し上げます」

言葉と同時に、錘はその腹部を貫く。

「董卓様。お覚悟願います・・・!」

抵抗は、最後まで無かった。

 *     *     *
 
「・・・貂蝉・・・まさか貴様、初めからわしの命を・・・」

瀕死であろうとも、その姿に同情の念は無い。

何とも間の抜けた結末だろう。懐の刀に、自ら刺されてしまうとは。

けれど、血に塗れた刀はもう、錆び付いて何にも用いられない。

ただ、捨てられるだけ。

それでも、願うことから始まった。平和の一端となることを祈って、ここまで来たのだから。

「時代の夜明けの為、この身は闇に捧げました」

夜明けはただ一時で。いずれまた、夜の闇は訪れるにしても。

その輪廻に抗うのは、無駄なことだったとしても。

「さようなら、董卓様・・・」

 
一時の夜明けをこの世にもたらそう。

乱世という夜が、再び支配するまで。
 
 
訪れる陽の光が再び、乱世に流されることの無い、強き者を育ててくれればいい。

たとえ二度と、自分をそんな光の下に晒すことは出来なくても__

流れる涙だけは、きっと透明なままで。もうじき訪れる朝日の視線を、強く返してくれるだろう。

いずれ衰えるもののみを賞賛されてきた自分にとって。それは何より望んでいた、恒久の形だった。

いつか誰かが打ち勝つ。その恒久を信じて、選ばれた太平の世を築く。

傷ついても、傷つけても、汚れても。どれも厭わない誰かが、それを築いてくれる。

何者にも屈しない強さは、確かに在る。

そして暮れない陽は無くても、明けない闇も無い。

 *     *     *

だから乱世よ。この蒼天の下に降り立てば良いわ。



必死の思いで脱出した先には、朝日が待っていた。

その傍らには、存在だけで己を主張する虹がある。

同じ色彩を地に立つ者に要求するその存在は、声も無く乱世の降臨を告げていた。


内容

 ▼呂布伝▼

Please wait...

内容

 ▼董卓伝▼

  大覇王的視点 〜十常侍討伐戦〜

文責:サソリ屋

ぐはははははははっ!

 止まらん!笑いが止まらぬんぞぉっ!?

 何進の愚図がようやく発した宦官誅滅の号令に、涼州くんだりから出てきてみれば――

 まさか、洛陽でこれほど愉しい余興が用意されておるとはのう!

「ひぃぃぃぃ――!?」

「斬り刻んでやるわぁぁっ!」

 馬を走らせ、必死に逃げまくる張譲に、追いつき、そして斬りつけた!

*     *     *

「ぐぁっはっはぁっ!」

 馬を走らせ、おろおろと逃げ惑うのろまな宦官をばっさりとまた一人斬り殺す!

「ひぎゃぁあっ!?」

「ぐぁーっはっはっはぁっ!」

 見るがいい、見るがいい、あの情けない死に様を!

 ――宦官誅滅の軍勢がこの街に殴り込んでから、今や内外大混乱じゃわい。

 聞けば十常侍の中の誰かに連れられて、帝の行方もようとして知れぬとか。

 連中の討伐とは建前よ。わしの真の目的は、このどさくさに帝をひっ捕らえて権力を握ることにあるのじゃ!

 ………誰じゃっ!?今そこで、火事場泥棒とはセコい、なんぞと抜かしたたわけはっ!?

 悪いかっ!?

 ………………。

 こほん。

 今のは確か、趙忠というたか?

 ……まあ、名前などどうでも良いわい。十常侍であることに変わりは無いのじゃ!

「どぅおらぁっ!勅旨じゃ!逆臣の十常侍は村興しじゃあっ!」

「…は?」

「………皆殺しじゃあっ!」

 細かいことで眉をひそめおる親衛隊に、目もくれんままで叫び直す。

 ふん……まあ、良いわい。

 事前に殺した三人も合わせて、これで九人。残るは張譲。恐らくは、帝も一緒であろう。

 ヤツは恐らく、わしがまだ捜していない洛陽の北西――つまりは、目の前にある門の向こうにいるはずなのじゃが……。

「伝令!」

 ……むっ?

 門の上から、何やら声が飛び込んできおる。どうした、張譲を見つけたか?

「帝の玉帯を発見!開門します!」

「張譲も一緒かっ!?」

「御意!」

 ………見つけた…見つけたぞぃ……!

 隠しもせずにほくそ笑んでやる。

 が。

「ですが……!袁紹も帝に迫っています!」

「何ィっ!?」

「既に門内に侵入しております。袁紹軍、帝捜索の邪魔をする模様!」

 ……袁紹めぇ……帝はわしのものじゃぁっ!

 開ききった門をくぐった直後、確かに袁軍の黄色い具足が、わしの視界には飛び込んできおった。

*     *     *

 まあ、所詮は袁紹ごとき、わしの敵ではなかったのじゃがな!

 あやつを蹴散らした時には既に、帝の馬車は城外まで脱出しておった。無論、張譲の奴の先導でじゃ。

 じゃが――その張譲は、今、斬った!

 斬ッ!

 張譲の護衛らしき一人をもののついでに斬り殺してから、わしは悠然と馬車に迫る。

 既に追い抜いておったから、真正面から向きあう形じゃ。

「ひぃぃぃい!?」

「なぁにを怯えておる!」

 情けない悲鳴を挙げる御者。まったく、中の帝も似たような態なら、とっとと廃位でもしてやるかいのう?

「今日からはわしが、帝を守ってやるというのじゃ!グズグズするな!凱旋するぞ!」

 上機嫌で言い放ち、のっしのっしと城内へ向けて歩き出す。

 その時のわしは感じておったわ。びくびくとついてくる馬車の気配と、袁紹はじめ帝を逃した負け犬どもの遠吠えと、そして何より、これから始まるわしの時代の到来とをな。

 ふふん。やはり、笑いが止まらぬわ!

 ぐぁっはははははははははははぁっ!!


内容

 ▼袁紹伝▼

Please wait...

内容

 ▼張角伝▼


大賢良師的視点



文責:つばさ


「蒼天すでに死す、黄天当に立つべし」

この天の言葉を掲げ、黄天の理想の世を作り出そうぞ!同志たちよ!



我は大賢良師こと、張角であーる。

まったく、嘆かわしい世になったものじゃ・・・・。

朝廷は賄賂や宦官がはびこり、悪政に民は皆倒れていきおる!

そこで、この世に失望し、俗世を離れて隠遁しておった我の元に

ある日、天の使いがやってきたのじゃ。

南華老仙と名乗る仙人が我に太平要術という書物を授けてくれた。

そして「天に代わって、人々を救済せよ」との言葉を残して、仙人は去っていった。

我は決意した。

この天の力、民のために役立てようと・・・。

我が力で、苦しむ民たちに天の光を授けた。

民たちは我らの助けが必要じゃったのだ。

我はこの民たちを見て立ち上がることにしたのじゃ!

「腐りきった朝廷などもはや不必要。これからは我らの時代じゃ」

いつしか、我の巻いている黄色い巾が同志たち、民たちにも広がった。

そして、人は我らをこう呼ぶ「黄巾党」と。



天の力は絶対であるぞ。

凡愚どもめ、見たか!

この天の力と、黄巾の結束力。

我らが快進撃、ついに蒼天の世を滅さんとする!

「蒼天すでに死す、黄天当に立つべし」

この天の言葉がいよいよ実現する日がやってきたのだ!

この戦いこそ、我らが最終決戦。

「太平の黄天を迎えるため・・・黄巾の子らよ!

蒼天の愚者どもの寄る辺を断ち切るのだ!」



官軍も各地から選りすぐった猛将を集め、

我らに対抗しおってきた。

ふ、しかし、我が炎の前では、所詮は俗物でしかあるまいて。

愚者どもは、我が裁きの炎の前に、皆燃え尽きてしまった。

天罰をくらわし、官軍は地に落ちた。

この戦、我らの勝利ぞ!

「張角様ーー!」

「黄天万歳!!」

黄巾の子らも喜びのあまり、叫び、踊りだした。

皆一斉に。

この結束力こそが、黄天の世を作り出す力となるのであーる。

「蒼天の愚かな獣たちは死に絶えた・・・

今日が、新たなる世、黄天の始まりであるぅ!」

いくぞ!同志たちよ!

我らの手で新しい世を作り上げるのだ!




内容

 ▼孟獲伝▼

Please wait...

内容

 ▼祝融伝▼


祝融的視点


文責:暇人


「 しゅ、祝融様!! 」


なんだい騒々しい、こんな夕暮れに。

「 も、孟獲様が! 蜀に捕まったとの報告です! 」


捕まった?―――――― アイツは今どこにいるんだい?

「 蜀軍本陣、あちらの方角にあります! 」

そうか、報告すまなかったね、アタシは行くよ。

「 そ、そんな無茶です! 今から行かれては向こうに着けばもう夜更けです! 」

・・・・・・・・・。

「 さらに、戦力的にも不利です、どうか取りやめを! 」

・・・ドサッ・・・・・・。

「 祝融・・・さ・・ま・・・ 」

悪いね、今は止まってらんないよ、

本陣へ突っ込むのは無謀・・・そんなの分かってる。

でも―――― アンタの生きた顔を見るのならお安いご用。

死んだ顔なんて、とても見れやしない・・・。

アンタはどうかはわからないけど、アタシはアンタといる時間、悪くないよ。

アンタがいろんな表情(かお)をしてくれるから、こっちもいろんな表情になるんだよ、

―――――だから、生きてるんだよ、アンタ・・・いや、大王・・・。



内容

戻る